剥がれてきた面の縁をカシューで塗り直しする方法【自分で剣道防具を修理】

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「初心者なので一番安い剣道防具で良いので…」と防具一式を購入してから4年が経ちます。

週2回、多い時で週4回稽古をしてきたので、面の縁(ふち)の黒い部分が剥がれてみっともなくなってきました。

面の縁(ふち)がこんなに剥がれている状態では、臭くなってきた剣道防具も洗うことさえ出来ません。

今回は、剥げてきた面の縁をカシュー(人工漆)を使って、自分で塗り直し修理・補修を行いました。

この記事は、こんな方にオススメです

  • 面の頭が剥げてきているけど、剣道防具の修理屋さんに頼むのは高いと感じる方
  • 面のふちの修理くらい、自分で何とか出来そうじゃないかと思っている方
  • 面の縁の修理動画はいくつかあるけど、作業の様子をもっと詳しく知りたい方

剣道初心者のDIYですが、まるで新品じゃないか!?と思えるほどキレイに仕上がりました。

この記事を読み終える頃には「これなら自分でも出来そうかも!」と思ってもらえるくらい、どのブログよりも出来るだけわかりやすく解説しています。

目次

剥がれた面の縁(ふち)を修理するために必要な材料

実際に作業をしてみて、最初に準備したものでは足りずに作業途中で「アレもいる…」「コレも必要だった…(買うの忘れてた)」と思うものが多々ありました。

皆さんは必要な材料をしっかり準備して、作業に取り掛かってくださいね。

  • カシュー(黒)
  • カシュー(赤)(必要であれば)
  • カシュー薄め液
  • マスキングテープ 1.8cm幅
  • 筆(お好みの太さでOK) 今回は馬毛平画筆No.6(黒用)と点付筆1号(赤用)の2本
  • 油性用丸缶1/12L(筆洗い用) 1つで十分

+

  • 新聞紙(床が汚れないように)
  • 使い捨て手袋(手が汚れないように)
  • 金属製マイナスドライバー(カシューを開ける為・長めのもの)
  • ぞうきん(いらない布類)(処分する薄め液を染み込ませたり、カシューの蓋を拭く為)
  • 紙やすり(剥がれかけているところがあれば使用する程度・なくてもOK)

カシュー缶を開ける前に絶対に見ておいて欲しいこと!

塗装用の缶って、こんなに開けずらいものだとは思いませんでした。

同じような構造だし、SBやハウス食品から出ているカレー粉末の缶と同じようなつもりで、スプーンで簡単に(テコの原理でグイッと)開くはずだと…。

スプーンでもダメ、ペンチで引っ張ってもダメ。

グーグルで検索して、ようやくマイナスドライバーを使って開けることが出来るとわかりました。

その代償にカシューの蓋がベッコベコに。(次開けられるか心配)

テコの原理でグイッとするので、長めの金属製のマイナスドライバーがいいかもしれません。

『カシュー』とは何?

1950年にカシュー株式会社(埼玉県)が発明した合成樹脂塗料のことです。

人口漆(うるし)として、天然漆の代用品として使用されています。

安価な価格で購入できるミシン刺しの面の縁の塗料は、ほとんどがカシュー(合成樹脂)を使用しています。

天然の漆と比べて人口漆であるカシューは、乾きが早く自分で面の縁のはがれを直すのに便利です。

カシューはどこで手に入るの?

カシューはホームセンターの塗料コーナーに置いてあります。

このホームセンターでは、こげ茶・黒・赤・ネオクリアー・クリアーの5色がありました。

カシュー各色・カシュー薄め液共に、1つ1,000円ちょっと。

Amazonや楽天市場で調べてみると、もう少し安く買うことが出来るので、時間のある方はネット注文がオススメです。

面の縁を修理する前にもう少し知っておきたい、カシューのこと

カシューはどんなものか、よくわかりました。

でも、このままカシューの蓋を開けてそのまま面の縁に塗ってしまっていいのかな?

カシューは薄め液で薄めて使う?それとも、そのまま使う?

GoogleやYouTubeで検索してみたんですが、カシューはそのまま塗っていいのか、カシュー薄め液で薄めてから使うのか、人によって意見はバラバラでよくわかりませんでした。

原液のまま使うのか薄めた方がいいのか、私の見解はこうです。

これから出てくる2枚の画像は、本物のカシューではなく、絵の具を使ってカシューの粘度を表現しています。

新品のカシューを開けた状態の粘度

気持ち水分が少なくて、ねっとりしています。

筆に絵の具がポッテリとつく感じがそっくりです。

新品のカシューを薄め液で薄めた状態の粘度

カシュー薄め液で薄めれば薄めるほど、絵の具と同様にしゃばしゃばになって水っぽくなります。

濃さもカシュー薄め液を入れるほど、面に塗った時の色も薄くなります。

薄めすぎに注意!

剥がれた面の縁(ふち)を修理するための手順

材料を揃えてしまえば、面の縁を修理するのはすごく簡単!

まずは流れをざっと見てみましょう。

  1. (必要があれば)紙やすりをかける
  2. (必要があれば)カシュー(赤)を剥げている部分に塗って、乾かす
  3. 面のふちにマスキングテープを貼る
  4. カシュー(黒)を剥げている部分に塗って、乾かす(1度目)
  5. 1度目に塗ったカシュー(黒)が乾いたら、再度上からカシュー(黒)を塗る(2度目)
  6. 半日ほど風通しの良い所で乾燥・臭い取り
  7. マスキングテープを剥がして完成!

ちなみに今回は、家族の分も含めて3つの面のふちを塗ったのですが、(モタモタしながらでも)①~⑤までで約1時間20分ほどで終了することが出来ました。

午前中に材料を準備して午後に塗り始めても、あっという間に出来上がるのがわかっていただけると思います。

カシューを使って面の縁(フチ)を塗る前に、必ず気をつけて欲しいことがあります。

それは、作業中の乾燥中も『換気をしっかり行う』こと。

カシューには独特の臭いがあり、カシュー薄め液も有機溶剤混合液のため(カシューよりも)臭いがすごいです。

カシュー薄め液を使うか、使わないかのタイミングは?

新品のカシューを使う場合は薄めずに使ってちょうど良いと思います。

もしカシュー薄め液を使うとしても、本当に少しで大丈夫。

一番初めにビフォーアフターで紹介したアフターの面の縁は、カシューを薄めずそのまま塗っています。

カシューを薄めずそのまま塗った方が、仕上がりも光沢感が出てキレイに仕上がります。

(仕上がりは塗り方次第。詳しくはSTEP4を参考にしてください)

ただ、使用後保管していたカシューを使う場合は、水分が蒸発して粘度が高くなっている場合があります。

粘度が高く固まりかけているような場合には、カシュー薄め液を使うと良いでしょう。

では早速、ステップごとに細かく手順を説明していきたいと思います。

STEP1:(必要があれば)紙やすりをかける

動画によってはカシューを塗る前に、紙やすりをかける方法もあるようですね。

が、今にも剥がれそう…なんて所が無ければ、紙やすりをかけなくても大丈夫です。

私も今回はやすりをかけることなく、そのままカシューを塗りました。

STEP2:(必要があれば)カシュー(赤)を剥げている部分に塗って、乾かす

まずは、新聞紙を下に敷きましょう。

カシューが下に垂れて汚れたら大変です。

使い捨て手袋をして、手にカシューが付かないようにします。

(素手にカシューが付いてしまっても、薄め液をつけて軽くこすると落ちます)

面金の赤色の部分が少しだけ剥げている場合があります。

細かいところなので、細めの筆を使用すると塗りやすいです。(今回は点付筆1号という筆を使用しました。)

使用するカシューの量も本当に少しで、蓋の裏についている分だけで間に合ってしまったほどでした。

もちろんカシューは薄めずそのまま使用。

塗った料がごく少量なので、5分もあれば乾きました。

使い終わった後の筆は、そのままにしていると固まって使えなくなってしまいます。

そのため、油性用丸缶1/12Lにカシュー薄め液を入れた中にドボン。

筆から色が出なくなるまでキレイになったら、ぞうきん(ウエスやボロ布など要らない布)で拭き取ります。

油性用丸缶に入ったカシュー薄め液はその後も使うので、処分せずに一旦脇に置いておきます。

STEP3:面のふちにマスキングテープを貼る

面の縁にカシューを塗る前の、大事な大事な下準備。

面の縁ギリギリにマスキングテープを貼っていきます。

マスキングテープを貼る範囲は、カシューを塗る範囲より5cmくらい範囲を広めにすると、万が一はみ出た!なんてことがなくて安心です。

面全体がカーブしているので、マスキングテープはあまり長めにしない方がキレイに面の縁に沿わせることが出来ます。

STEP4:カシュー(黒)を剥げている部分に塗って、乾かす(1度目)

さて、ここからがメインイベント。

カシュー(黒)を面の縁の剥げた部分に塗っていきます。

新品のカシュー缶であれば薄め液で薄めずにそのまま塗り、2・3回使用しているカシュー缶であれば粘度が高く固まっている可能性もあるので、薄め液で薄めて濃さを調整してから塗ります。

剥げている面が大きければ、太目の筆でOK。(今回は馬毛平画筆No.6を使用しました)

筆に取るカシューの量もたっぷりの方が、乾いた後もより艶やかに見えます。

この画像は既に2度塗りした後のものですが、右はカシューを筆に少量しか付けずに塗ったもので、左はカシューを筆にたっぷりと取って塗ったものになります。

面のふちのツヤツヤ具合が一目瞭然ですね。

STEP5:1度目に塗ったカシュー(黒)が乾いたら、再度上からカシュー(黒)を塗る(2度目)

カシューは1度塗りより2度塗りした方が、面の縁がしっかりとカシューで保護されます。

私の場合は面の縁をカシューで塗った後に、自分で面を洗う作業をしたかったので、面の縁に出来るだけ水を染み込ませたくない!という意味も込めて2度塗りをしました。

2度塗りのタイミングはもちろん1度目の塗りが乾いてから。

時期的(8月中旬)なものもあるのか、今回は10分程度で1度目でたっぷりと塗ったカシューも手で触っても汚れないくらい乾いていました。

2回目の塗装も面の縁を新品のようにツヤツヤに仕上げたいので、筆にたっぷりとカシューを取って塗っていきます。

面の縁の表面を筆でキレイにならすように塗っていかないと、画像のように表面が凸凹して残念な見た目になってしまいます。

また面によって多少の違いはありますが、元々の面の縁の塗料がツヤツヤ・テカテカしていない場合は、今回カシューを部分的に塗ることで画像のようにツヤムラが発生してします。

塗ったところと塗っていないところ(元からの部分)の差が、光が当たるとよくわかります。

差が出ないようにするには、1度塗りで留めておくか、面の縁が剥げていないところでも全面にカシューを塗るかの2択になるのかなと思います。

カシュー・カシュー薄め液の片付けと処分の方法

使い終わった筆は、カシュー(赤)で使用した油性用丸缶1/12Lに入っているカシュー薄め液に入れて洗います。

使用したカシューの蓋を閉める(戻す)際は、固まらないようにカシューの蓋から缶のふちすべてを、カシュー薄め液で拭いてから蓋をしました。

カシュー薄め液の捨て方について

カシュー薄め液は、水生生物にとっては非常に強い毒性になります。

このまま水と一緒に流して捨てることは、生態系にも非常に悪影響ですので、絶対にやめてください。

カシュー薄め液は、ぞうきん・ウエス・ボロ布・新聞紙など捨ててもいい布に染み込ませ、可燃ごみとして処分します。

臭いが強いので、袋を二重にすると比較的マシになります。

STEP6:半日~1日ほど風通しの良い所で乾燥・臭い取り

カシューが乾くのは早いのですが、まだ面全体に臭いが残っています。

そのため、風通しの良いところで半日~1日しっかりと乾燥させて臭いを取りましょう。

サーキュレーターや扇風機を使ってもいいですね。

STEP7:マスキングテープを剥がして完成!

お疲れ様でした。

最後にマスキングテープを剥がして、完成です。

思いのほか綺麗に塗れて、自画自賛すること間違いなし!

【面の縁の塗装後】面を被った時の臭いはどれくらいクサイ?

半日~1日しっかりと乾燥させた状態で面の縁に顔を近づけたら、ほとんどカシューの臭いがしなくなりました。

では実際にしっかりと面を被った状態だと、どれくらい臭いが残っているのか?

クサイのか?

結論:やっぱり少しだけ臭います。無臭では無かったです。

使い続けるうちに、少しずつ薄れてくるのかなという感じですね。

2023年12月2日追記

面の縁を塗って2ヶ月する頃には、臭いも消えてすっかり忘れていました。

まとめ

今回は、面の縁(ふち)を塗る準備から完成までの一連の流れを見ていただきました。

どうですか?

思ったより簡単そうと思ったでしょ?

ぜひお盆休みや年末年始など、稽古が休みになるタイミングでやってみてくださいね。

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